傍若無人、なんだこれ!?

ハイヤー

タクシー時代から「お客様は神様」と思う人はたまにいた。

ハイヤー時代は9割は良いお客様だったが、1割は酷い人達だった。

これは、タクシーもハイヤーも変わらない。

今回は実際に経験したハイヤー時代の怒られた話をしたいと思う。

 

ハイビーム

18時くらいになり職員から顧客情報の入ったクリアファイルを貰った。

目的地は埼玉県であった。

地図には会社から自宅までの指定ルートがあった。

そのルートを確認しながら、高速や下見の混雑状態を確認する。

今回は会食でお客様の出発地点が不明という事で

指定ルートを使わない可能性もあった。

しばらくして、出発地点を知らされた。

どうやら、指定ルートは使えなさそうだ(かなり遠回りになるため)

目的地に到着し、店の人に到着した事を伝えた。

かなり、お酒を飲んでる様子でふらふらしながらこちらに向かって来た。

そして、ドアサービスをして車に私は乗り込んだ。

りゅーや
りゅーや

お客様の指定ルートの場合、今回に限り遠回りですので

今回は別のルートで行かせて貰ってもよろしいでしょうか。

 

事細かなルートを説明して、遠回りの理由も伝えた。

 

お客
お客

あっそう!

任せる

 

任せてもらえたので、車を走らせた。

しばらくして、急にお客様が大声を出して来た。

 

お客
お客

お前!

どこ向かってんだ!?

りゅーや
りゅーや

えっ!

ご自宅ですけど・・・

お客
お客

俺は数多くのハイヤーに乗って来たが

こんなルートを使ってる奴はいねーぞ

りゅーや
りゅーや

えっと・・・先程、

ご説明したルートで任せると言って頂けたので

お客
お客

いや、任せられない!

お前、前職なんだ!!

りゅーや
りゅーや

前職タクシーです・・

お客
お客

タクシー!?

えっ、あっそう

 

急に勢いが止まった。

 

りゅーや
りゅーや

あの・・

遠回りですけど、指定ルートに向かいますか?

お客
お客

いや、良いです。

ナビ通りで!?

お客さんは驚いた様子で質問してきた。

 

お客
お客

この車、ナビ付いてねーの!?

りゅーや
りゅーや

あぁぁ、そうなんですよね。

ただ、道は覚えてるので別に問題ないですよ!

そこから、20分くらい沈黙の時間が続き

 

目的地に近づいて来た

街頭が一切なくハイビーム走行をした。

すると、お客が口を開いた。

 

お客
お客

君は、タクシーなら一流だが

ハイヤーなら三流だ

なぜだか分かるか?

りゅーや
りゅーや

えっ?

なぜでしょう?

お客
お客

確かに、君は道は詳しいよ

多分、事前に下調べもしたのだろう

ただ、人に気配りが出来てない

りゅーや
りゅーや

大変申し訳ございません

お客
お客

街頭がない道に入ってから、

ずっとハイビームで走ってるだろ?

歩行者の気持ち考えた事あるかい?

 

 

まぁ確かに、歩行者がいてもハイビームで走っていた

眩しいそうにしていたかも知れない。

 

お客
お客

ハイヤーってのは、

中だけではなく

外にも気を遣うのだよ

そうしないと、いつまでも一流になれない

 

 

そう言われてすぐに目的地に到着をした。

ドアサービスをして、玄関の扉が閉まるまでお辞儀をした。

そして、運転席戻り窓とドアが閉まっていることを確認した。

 

大声で叫んだ

 

りゅーや
りゅーや

はぁ~!?

いや、あいつなんやねん。

なんで、助言されるのよ?

まぁ、普通の人は

「ハイヤー運転手もっと頑張ろう」

「プロとしてまだまだ」

「お客様のお言葉ありがたい」

意識高い人は思うのだろう。

 

私は今もだが意識は低いので車内で、ずっと悪口を言っていた。

そして、この件を職員に報告をした。

(多分、乗せたくないと思ったからだろう)

 

以後、彼を乗せることはもう二度となかった。

 

部下にキレられる

ハイヤー運転手は基本的に

職員に目的地の紙を渡される

稀に、白紙の場合がある。

これは、客先の指示である。

 

今回は白紙だ

 

社長と部下を乗せて指示を仰いだ

 

部下
部下

○○っていう店行って!

りゅーや
りゅーや

えっ!?

どちらにございますか。

部下
部下

えっ!?

そんな事も知らないで運転手やってんの?

りゅーや
りゅーや

住所教えて貰っても・・・

部下
部下

そんなの前もって調べておけ!!

りゅーや
りゅーや

(流石に、マイナーな店の名前言われてもな・・・)

 

 

店の名前で場所を調べて目的地に走った。

銀座は混んでる為、前にはほとんど進まない

部下のイラつきもピークなのか

走っている最中にドアを開けた。

 

部下
部下

ここで降りる!

 

 

自分勝手だなと思いつつ歩いて向かって行った

私は待機出来る場所で待機した。

そして、眠りについたzzz

 

Prrrrrr

 

電話の音で目が覚めた。

時刻は日付が変わっていた。

3時間くらい眠っていたようだ

 

部下
部下

終わったから、店の前に来て

 

指示通り、店の前で待機した。

しかし、一向に来ない

しばらくして、電話が鳴った

 

部下
部下

今どこにいんだよ!!

りゅーや
りゅーや

○○って言う店の前です

部下
部下

いや、2件目だよ!

 

 

 

どこすか?

 

いや、知りませんよ・・

住所を聞こうと部下に尋ねると

 

部下
部下

めんどくさいから、タクシーで帰るわ!

りゅーや
りゅーや

では、社長に変わって貰って良いですか?

部下
部下

何でよ?

りゅーや
りゅーや

指示書には社長をお乗せすることに

なっているので、直接の指示がないと

分かりましたとは言えません

部下
部下

はぁ?

なんなんコイツ!

やっぱ乗るわ!

そこで待ってろよ!

 

 

来た

 

目的地は近くのホテルだった。

場所も知っているので、ナビなしで行ける。

到着後、部下が降りるのだろうと思っていたが

 

社長だった

 

私は汗が止まらなかった。

ドアサービスを終えてドア閉めた時にため息が出た

 

世界で一番辛い時間がこれから始まる

 

運転席に乗り込み、指示を仰いだ

 

部下
部下

渋谷!

 

 

車を目的地に走らせしばらくすると

部下がキレ気味で喋って来た。

 

部下
部下

運転手さん、

道全然分からないのに

よく運転手やってるね

 

 

この時に、私はプッンと何かがキレてしまった。

ハザードを付けて、左に寄せた。

そして、指示書を部下に見せた

 

りゅーや
りゅーや

これ見て下さい!

指示書に何も書いてないですよね?

確かに、店の名前は分かりませんでしたが

そのほかの、ホテルや渋谷は分かってますよね?

もしかして、今渋谷に向かっている道間違えてますか?

部下
部下

間違ってません・・・

りゅーや
りゅーや

ですよね?

それで、道が分からないって言うのはおかしくないですか?

それに、指示書には社長の送迎しか書いていないので

本来であればあなたを乗せる事は間違っています。

なので、降りてタクシー乗って貰ってよろしいでしょうか?

部下
部下

すいません

このまま、私を自宅まで送って下さい。

りゅーや
りゅーや

分かりました。

では、近くになりましたら指示をお願いします。

そして、車を走らせた。

 

そして、自宅の前までに到着した

 

部下
部下

運転手さん

今日の事会社には言わないで貰っていいですか?

りゅーや
りゅーや

今まで運転手に向かってそういう態度取っていましたよね。

部下
部下

はい・・・

りゅーや
りゅーや

確かに、道が分からない人もいるかも知れませんが

皆さん頑張って運転して覚えてます。

今回は、誰にも言いませんが次からは運転手さんに

敬意をもって下さい

部下
部下

申し訳ございませんでした・・・

二度としません

 

 

帰り道の車内では

 

りゅーや
りゅーや

はぁ・・・・

ハイヤー運転手なのに、部下にキレてしまった

本当に俺向いてないな・・・

 

 

この時から、徐々にハイヤー運転手の不向きさを感じてしまった。

主人公は自分ではなくお客様これがハイヤーの中心の考え

なのかも知れません。

会社に報告されてまずいのは私の方だったので、

連絡来なくて良かったぁ~

まとめ

私の性格上、理不尽な事を押し付けられると

ある程度は我慢出来るのですが、

上限に行くとキレてしまうので、タクシー向きかも知れません。

あくまで、一部のお客様のお話であってほとんどは良いお客様です。

運転手も仕事仲間として思っている人もおります。

楽しい事も嫌な事もあるのは、タクシーもハイヤーも同じだな・・・

 

 

 

今日はここまで

次回もお楽しみに

 

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